農業用ビニールハウス(パイプハウス)の専門店モリシタの森下幸蔵です。
https://www.morishitahouse.jp/contents/about.html
先週の木曜日(2015年7月30日)にカフェあんのんさんにて、横田秀珠さんのホームページのスマホ最適化セミナーがあり、受講しました。
http://cafeannon.jp/reserve.html
http://yokotashurin.com/etc/seminar201507.html
さっそく実践してみます。ありがとうございます。
さて、本題です。
トマト栽培用ハウスにエステル線クリアをおススメする理由
カーテン装置
ビニールハウスには、遮光・遮熱や保温の目的で、カーテンと呼ばれる装置を取り付けることがあります。
住宅のカーテンと同じように、ハウスのカーテンも膜(フィルム)を開け閉めすることで、光の量の調整や遮熱、保温をします。
今回は、カーテン装置の中で、フィルムの棚線に使われる「エステル線」についての話です。
エステル線クリア
http://www.dainichi-can.co.jp/products/package/other/ester.html
https://www.seiwa-ltd.jp/products/products5-1/
エステル線は、耐候性のある黒色が主流でしたが、数年前にクリアが発売されました。
なぜ、クリアなのか? その理由は「1%理論」
ビニールハウス内の採光性を上げるためです。黒色よりも透明の方が影ができないので、ハウス内の光の量が増えます。
エステル線クリアは透明。
わずか直径2mmのエステル線の影でも馬鹿にできないのには理由があります。
それは、施設園芸の先進国オランダの研究で、トマトの栽培期間あたり1%の光量減少は1%の収量減少につながると結論づけられているからです(1%理論)。
エステル線は、カーテンフィルムの棚線に使用します。
エステル線クリアは透明なので目立たない。
費用対効果を計算してみました
エステル線φ2mmを使用したとして、ハウス面積1㎡当たりの使用量は2mになります。
1㎡あたりの影は0.004㎡になりますので、0.4%の光量が減ることになります。
トマトのハウス1反(300坪=1,000㎡)あたりの収量が年間100万円とします(実際にはもっと高いですが)。
1㎡当たりの収量を計算すると、1,000円になります。
1%理論により、黒色エステル線を使用した場合、1㎡あたり、1,000円×0.4%=4円の減収になります。
一方、資材費では、エステル線クリア(φ2mm 1000m巻)の価格は税込10,314円になります。これは黒色の2倍以上の価格なのですが、
クリアと黒色のエステル線の差額を計算しますと、ハウス1㎡あたり12円ほどクリアが高いです。
クリアのエステル線の耐用年数を10年とした場合、1年あたりのコスト高は1.20円になります。
4円-1.20円=2.80円
このことから、エステル線クリアを使うと、1年間で1㎡当たり2.80円の粗利アップが計算上では見込めることになります。
これが、私が、エステル線クリアをおススメする理由です。
最後に
ちなみに、オランダでは30年の間にトマトの収量は2倍になったそうです。
栽培技術に対する投資が盛んで、生産性向上の研究が進んだ結果ですが、そう考えると、トマトの光量と収量の関係「1%理論」はあなどれないですね。