農業用ビニールハウス(パイプハウス)の専門店モリシタの森下幸蔵です。
https://www.morishitahouse.jp/contents/company.html
今日から、消費税率が8%になりましたね。
ハガキと封書の郵便料金がそれぞれ52円と82円になっても、セブンコーヒーのレギュラーサイズは100円のままでした。
http://www.sej.co.jp/products/sevencafe.html
値上がりを覚悟の上で、オーダーしました。
さて、本題です。
ビニールハウス(パイプハウス)の被覆材の選び方 ーポリオレフィンフィルムー
パイプハウス(ビニールハウス)の作物栽培用フィルムには、素材別に大きく分けて3種類のものがあると、前回お伝えしました。
1.塩化ビニールフィルム
2.ポリオレフィン系フィルム
3.フッ素系フィルム
今回は、2..ポリオレフィンフィルムについて、素材の特性を説明します。
2.ポリオレフィン系フィルム
正式名称は「農業用ポリオレフィン系特殊フィルム」。
http://www.greenjapan.co.jp/sizai_po.htm
略して「POフィルム」とか「農POフィルム」と呼ばれています。
多層構造のため、強度に優れています。
「農業用」以外に、「食品用」ポリオレフィン系フィルムもあります。
多層構造のため、気体通過速度が遅い特性を利用して、鮮度維持の目的でマヨネーズの容器にも使われています。
「POフィルム」の特性として、以下の点を挙げることができます。
-
引き裂き強度が大きい
-
耐候性(紫外線のような風土による耐性)が高い
- よって、塩化ビニールフィルム(塩ビフィルム)よりも耐用年数が長い
- 防塵性に優れていて、汚れにくい
- フィルムの自重が軽いため、展張作業が容易である
-
塩ビフィルムよりも、製造設備の投資費がかからない
- 焼却しても、有毒ガスが発生しない
テキナシ5(シーアイ化成)
マンテン5(シーアイ化成)
ダイヤスター(三菱樹脂アグリドリーム)
タイキュート007(三菱樹脂アグリドリーム)
耐候性が高いため、耐用年数が10年ある商品も上市さてています。
(塩ビフィルムでは、最大で4年)
更新頻度が少ないため、業者にフィルムの張替えを依頼するような大型パイプハウスに向いています。
また、引き裂き強度が大きいので、強風多発地域でのパイプハウスの被覆材として適しています。
POフィルムの欠点としては、
- 保温性能が低い
- このため、塩ビフィルムに比べ、加温コストがかかる。無加温ハウスでは、作物の成長が遅くなりやすい
- 透明度が塩ビフィルムに比べると劣る
- 突き刺し強度が低いため、尖ったものに当たると穴が開きやすい
- 伸びないため、フィルムを押さえつけるヒモとの接点箇所が擦れると穴が開きやすい
- リサイクルするのに手間がかかるため、農業用POフィルムは、リサイクルが実用化されていない
価格が安い割には、長寿命で、しかも展張作業が楽ということで、塩ビフィルムのシェアを年々奪い続けています。
技術開発により、保温性が低いという欠点が補強されれば、ますますシェアが伸びて行くでしょう。
株式会社モリシタの公式サイト https://www.morishitahouse.jp/