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2013年11月15日

旬でない時期の方が美味しい野菜とは?【後半】

農作物

農業用ビニールハウス(パイプハウス)の専門店モリシタの森下幸蔵です。

https://www.morishitahouse.jp/contents/company.html

 


 

サツマイモは、旬の秋よりも、
冬から翌年の夏までの方が甘くて美味しいのです。

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先日もテレビ局が取材に来ていました。

これは、サツマイモの貯蔵方法に原因があります。

生サツマイモは、切り口から痛みやすく、特に冷温下では腐りやすいのです。
生イモでの冬越しが難しい野菜(作物)です。

そこで、サツマイモを長期保存に耐えられるよう「キュアリング」という処理が数十年前から普及し始めました。

キュアリング処理したサツマイモは、生イモよりも甘くなるのです。
なぜか?

以下、農水省のサイトから。
『さつまいもの貯蔵には、
温度13~15℃、湿度85~95%が適していますが、
貯蔵の前3~4日間、温度30~33℃、湿度90~95%に保つと、
傷のついたところにコルク層(傷を治す組織)ができ、
貯蔵中に病原菌の侵入が少なくなります。
この処理のことをキュアリングといいます。』
(参考資料「作物栽培の基礎」(社)農山漁村文化協会)

キュアリングで、サツマイモを3~4日間、温度30~33℃に保つことで、生イモから水分が蒸発し、サツマイモの糖度が高くなります。

ですから、サツマイモは、
収穫したての旬のものよりも、
貯蔵処理した冬以降のものの方が甘くて、美味しいのです。

あわら市北潟のサツマイモ産地である「富津」の「とみつ金時」も、今は、新イモの出荷で忙しいと思います。

新イモの出荷が終わると、
キュアリング処理を開始し、より甘いサツマイモを、冬から翌年の夏まで出荷します。

昔のサツマイモ生産農家は大変だったと思います。
収穫したサツマイモを冬前に売り切ってしまわないといけなかったのですから。
イノベーションに感謝ですね。

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「エコフィールドとみつ」ではキュアリングもされています。