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2016年01月24日

ビニールハウス(パイプハウス)の雪害対策について

農業用ビニールハウス

農業用ビニールハウス(パイプハウス)の専門店モリシタの森下幸蔵です。

https://www.morishitahouse.jp/contents/company.html

 


 

1月24日


福井市足羽山にある毛矢黒龍神社に仕事で伺いました。

お参りに来たのではないですが、この神社に参ると気持ちがリフレッシュします。

全国的に有名なパワースポットらいしいです。

毛矢黒龍神社

http://www.kurotatu-jinja.jp/030_power_spot/power_spot.php

 


 

さて、本題です。

 

ビニールハウス(パイプハウス)の雪害対策について

 


 

サクランボハウス撮影12月20日 (1)

 

 

徳島県の公式サイトに 県立農林総合技術支援センターが作成した「ビニールハウスの雪害対策について」が公開されていますので紹介します。


 

ビニールハウスの雪害対策 徳島県立農林総合技術支援センター

http://www.pref.tokushima.jp/docs/2015020500070/


ビニールハウスの雪害対策
2015年2月5日
昨年の大雪により,県西部を中心に農業用ビニールハウスが倒壊する被害が発生しました。こうした被害を未然に防止するため,ビニールハウスの補強対策について取りまとめましたのでご活用ください。

 

 


 

 

ビニールハウス雪害対策.pdf(498KB)

http://www.pref.tokushima.jp/docs/2015020500070/files/setsugaitaisaku.pdf

 

ビニールハウスの雪害対策
徳島県立農林水産総合技術支援センター

 

1.倒壊のメカニズム 
・パイプのひずみはハウス肩部、屋根中央部、天井部の順に起こる。
・屋根中央部では内側方向(対策1)、肩部では外側方向(対策2)に力がかかる。
片側日照または風向きにより天井部の片側だけに偏って積雪があると主骨に予想外の大きい力が加わる。

 

2.ハウスの強度を上げるための対策
・積雪の影響を受けやすい部分の構造やパイプの接合部を強化することにより、ハウス全体の強度を上げる。
・補強の組み合せや部材の選択によりコストを抑えながら、効果を上げることが重要である。

 

(1)今すぐできる対策(既存のハウスの補強)


ア 雪の滑落を妨げない
・雪が落ちることで、積雪による影響が少なくなる。
・降雪前に被覆資材のたるみが出ないようにビニペットスプリング、マイカ線等でピンと
張り直しておく。


イ 中柱の設置(対策1) ・・・3m間隔に設置すると耐雪性が25kg/㎡向上する。
・中柱は,パイプや木材、竹等を3~4m間隔で設置する。
外れないように棟パイプに確実に固定する。
・中柱の下には板やブロックなどの台石を敷き、雪の重みで中柱が土中に沈み込むのを防ぐ。
・竹を使用する場合は直径10~12cmのものを準備する。


ウ 横梁の補強(対策2) ・・外側方向への拡がりを防止する(耐雪性4割向上)。
・使用する部材はパイプ・木材・竹等が良いが、ワイヤー等でも補強効果が期待できる。
・水平引張線の設置も積雪荷重による肩部の広がりを抑え倒壊防止に有効。
番線の太さは,8~10 番線(3㎜程度)の針金を2m間隔で張り引きつけておく。

 

(2)シーズンオフに行う対策
ア ダブルアーチ(2重パイプ)による補強
1.5m間隔で補強すると耐雪性が50kg/㎡になる。
・既存のハウスの内側に,アーチ構造の骨材を組み入れて
補強する(耐風性約3倍向上)。
イ 筋交い等
・筋桁方向及び間口方向の倒れを防止し、さらに不均等な積雪によるパイプアーチの横面外への横倒れを防止するなどハウス全体の耐力上昇につながる(耐雪性2割向上)。

 

(3)新設時に行う対策
ア 屋根勾配を大きく
・アーチパイプの連結部は,ジョイント式にする。差し込みのスエッジ式は、屋根形状が扁平な形となり,強度が低下する。但し、屋根勾配を大きくすると耐風性が低下する。
イ パイプ径・パイプピッチ
・パイプ径が太くてもピッチが広いと強度が大きく劣る場合がある。
・パイプピッチ45cm以下が望ましい(50cm→45cmで,約1.5倍の強度)。

 

3.ビニールの切断
・除雪が追い付かず,倒壊の危険が迫っている場合は、やむを得ない処置として被覆資材を切断する。
天井パイプに対して左右対称に行うとともに、肩部だけでなく天井部まできちんと行わないと倒壊する場合がある。
特に連棟ハウスは倒壊の危険が大きいので早めに行う。
その際には、落雪や倒壊の恐れがないか細心の注意を払いながら、安全を十分に確保した上で作業すること。
また、2年目以降の古ビニールは滑性が劣り倒壊の危険性が高い。

※注意! ハウスの積雪状況を見て、倒壊のおそれがある場合はハウス内に入らないこと。

復旧・再建の負担を減らすため、NOSAIの園芸施設共済に加入しましょう!

 


まとめ

 

1.雪害対策は降雪期の前に行うこと

→ 降雪の後だと時間がなく対策の選択肢が限られるから。

 

 


2.ハウスの強度を上げることで雪対策

 


 

(1)今すぐにできる対策 (既存のハウスの補強)

①被覆材をピンと張ることで、屋根からの滑雪を良くする。

②棟木を中柱で支えて、棟木が下がらないようにする

→ 中柱の間隔、太さに注意すること。

③横梁(水平梁)を取り付けて、アーチパイプの肩部が開かないように補強する

→ 横梁の部材はパイプや木材、竹以外にワイヤーでも効果がある。φ3㎜のワイヤーなら2メートル間隔で張る。

 


 

(2)シーズンオフに行う対策 ~手間と時間がかかる~ (既存のハウスの補強)

①ダブルアーチによる補強

→ ダブルアーチは1.5メートル間隔にする(耐雪性が50㌔/㎡になる)。

②筋交いによる補強

→ ハウス全体の耐力を向上し、ハウスの横倒れを防止する(耐雪性は2割向上する)。

 


 

(3)新設時に行う対策 (新設のときにしかできない対策) ~設計のときに考慮すること~

①屋根勾配を急にすること。

②アーチパイプのジョイント部は、差し込みスエッジ式でなく、外ジョイント式にすること。

③アーチパイプの直径を大きくしても、アーチパイプの間隔は広くしないこと。

→ パイプピッチを50㌢から45㌢にすることで耐雪強度が1.5培になる。

 


 

3.ビニールの切断

→ 除雪が追いつかず(今後の予報でさらに雪が降り続くことが予想され)、ハウスの倒壊の危険が迫っている場合に限る。

→ 肩部だけでなく、天井部分のビニールも切断すること。

→ 連棟ハウスは倒壊の危険が高いので、早めに行うこと。

→ 展張2年目以降の塩化ビニールの場合は、滑雪性が劣るので倒壊の危険性が高いので注意する。

→ 作業するときは、落雪や倒壊の危険がないか注意を払うこと。

 

 


 

感想


 

地球温暖化により、いままで積雪どころか降雪も稀だった地域でも雪害が増えています。

今や、雪害対策は北日本や北陸だけでの問題ではなくなりました。


ハウスの耐雪補強以外にも、事前の対策や日ごろの心構えが特に大切だと思います。

そういう意味で、降雪期に入る前に、スコップやママさんダンプのような除雪用具の準備や、損保会社の事業保険(ビニールハウスでも入れます)の検討は必要だと思います。

 


関連ブログです。

 

ビニールハウス(パイプハウス)の積雪対策 その1


https://www.morishitahouse.jp/info/greenhouse/%E3%83%93%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9%EF%BC%88%E3%83%91%E3%82%A4%E3%83%97%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9%EF%BC%89%E3%81%AE%E7%A9%8D%E9%9B%AA%E5%AF%BE%E7%AD%96/

 


ビニールハウス(パイプハウス)の積雪対策 その2


https://www.morishitahouse.jp/info/greenhouse/%E3%83%93%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9%EF%BC%88%E3%83%91%E3%82%A4%E3%83%97%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9%EF%BC%89%E3%81%AE%E7%A9%8D%E9%9B%AA%E5%AF%BE%E7%AD%96%E3%80%80%E3%81%9D-2/

 


ビニールハウスの耐雪強度について


https://www.morishitahouse.jp/info/greenhouse/%E3%83%91%E3%82%A4%E3%83%97%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%81%AE%E8%80%90%E9%9B%AA%E5%BC%B7%E5%BA%A6%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

 


 

 

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