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2015年08月05日

食糧自給率についての意識調査(日本農業新聞の記事より)

日々 , 食育

農業用ビニールハウス(パイプハウス)の専門店モリシタの森下幸蔵です。

https://www.morishitahouse.jp/contents/about.html

 

 

暑中見舞をもらいました。

 

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~あなたのかかりつけメガネ店~ メガネのいまむらさんからです。

http://ameblo.jp/nono1150chan/

 

それにしても、今年の夏は異常なほど暑いですね。

 

 


 

さて、本題です。

 

食糧自給率についての意識調査(日本農業新聞の記事より)

 

 

先週の土曜日(2015年8月1日)の日本農業新聞朝刊の2面に『「食糧自給率低い」7割』とういう記事が載っていました。

 

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JA全中がインターネットを使った意識調査の結果を記事にしたものです。
対象は20~60才の男女1000人とのこと。

 


 
意識調査の結果は

 

記事を要約すると、次のようになります。

 


①日本の食糧自給率に関心があるという回答は、「少し関心がある」を含めると7割に上った。

②日本の食糧自給率(カロリーベースで39%)を低いと感じている回答が72%に達した。

③高い年代ほどこうした危機感が強い。

④自給率を高める効果的な取り組みとして、地産地消や国産畜産物の優先利用が挙げられる。

 

 

ふむふむ、

国民は日本の食糧自給率についての関心が高く、食糧自給率は低いと思っている。

地産地消や国産品を購入することで食糧自給率の改善ができるらしい。

 


 

「カロリーベースの食糧自給率」とは

 

カロリーベースとは、ご存知の方も多いと思いますが、「1年間に消費する食べ物をカロリー(熱量)に換算して、国産農産物でどれだけまかなえるか」を示した数値です。

(国産供給熱量)÷(総供給熱量)X100 で算出されます。

 

 

カロリーベースですから、作物や農産物の品目よりも、総カロリーに注目した特異な自給率ということになります。

また、野菜や果物よりも、米やイモ類のような炭水化物を含む作物や肉類の方が自給率には貢献することになります。

 

 


 

ちなみに、輸入飼料で飼育した牛肉は食糧自給にカウントされない

 

これも、ご存知の方が多いと思いますが、子実コーンなどの輸入飼料で肥育された家畜や家禽は、食糧自給にはカウントされません。

 

国産の飼料を使えばいいのですが、質が安定せずに価格の高い国産飼料は、畜産農家には導入されにくいようです。

 

食糧自給にカウントされなくても、国内で肥育された牛のお肉は、スーパーで国産牛として販売されています。

 


 

地産地消で食糧自給率を上げられる?

 

地産地消とは、「地元の農産物を地元で消費しよう」というスローガンです。

このスローガンは、地域の農業を育てるという意味はありますが、食糧自給率の向上につながるとは思えません。

 

家庭で消費される食品のうち、コンビニのおにぎり・お弁当や大手外食産業のごはんは外米が使用されています。

また、お弁当では定番の冷凍食品、みそ・醤油などの加工食品、お菓子、お酒、飲料などの原料は、ほとんどが輸入農産物です。

 

地産地消には限界があるのです。

 


 

最後に

 

現在の食糧自給率は39%ですが、昭和40年(1965年)には73%でした。

この年の対ドルの為替レートは360.0円だったので、輸入農産物は高価だったと思います。

 

今では、円が強くなったおかげで、海外の農産物が安く輸入されます。

農産物の輸入が増えると、食生活が豊かになりますが、逆に、食糧自給率は低下するようです。

 

私は、全体の食糧自給率を見るよりも、農産物の品目別の自給率を意識した方がより具体的で良いと思っています。

 

平成21年度の品目別の自給率は

  • 米 95%(うち主食用の米は100%)
  • 小麦 11%
  • かんしょ(サツマイモ) 94%
  • ばれいしょ(ジャガイモ) 73%
  • 大豆 6%

 

小麦と大豆の自給率が低い理由について考えると、食糧自給率の向上に役立つかも知れませんね。