農業用ビニールハウス(パイプハウス)の専門店モリシタの森下幸蔵です。
https://www.morishitahouse.jp/contents/company.html
第3章 虫や雑草とどう向き合うか
太陽熱マルチ殺草処理
『
久松農園で最も効果を上げている雑草対策が、太陽熱マルチ殺草処理と言われる技術です。
マルチというポリフィルムを夏場に畑に広げ、太陽の熱で表面の雑草の種を焼き殺してしまう、というものです。
たとえば、人参は初期生育が非常に遅いので、草取りをしないとたちまち草に埋もれてしまいます。
そこで、あらかじめこの太陽熱処理で草が出ないようにしておき、マルチを除去して人参の種を蒔くと、見事に人参だけが出てくるのです。
太陽熱処理は、農業者の間ではよく知られている技術ですが、特に農薬を使わない農家に有効な利用方法があります。
前述のように、殺虫剤を使わない栽培では防虫ネットという網で作物を覆わなくてはなりません。
たとえば夏場のキャベツを植えた後は、虫が入り込まないようにネットの裾土に埋めて野菜を密閉してしまいます。
この状態から、土をかけてあるネットの裾を開けてキャベツの間の草取りをして、また埋め戻すという行為を夏の間中繰り返すのは全く現実的ではありません。
そこで、この太陽熱処理技術を使ってあらかじめ草を処理しておけば、その後も草は全く生えませんので、安心してネットをかけてしまうことができるのです。
この二つの技術をうまく組み合わせれば、殺虫剤も除草剤も使わずに、慣行農業に遜色ない虫食いのない野菜が育てられます。
≪中略≫
ただし、もちろん、除草剤の使用が直ちに全ての微生物を殺してしまうわけではありません。
僕は除草剤を使わない方がベターだと思って有機の手法を採用している、という事です。
』
出典【キレイゴトぬきの農業論】新潮新書 久松達央著
久松農園のオフィシャルサイト http://hisamatsufarm.com/