農業用ビニールハウス(パイプハウス)の専門店モリシタの森下幸蔵です。
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第2章 野菜がまずくなっている?
野菜は生き物
生鮮野菜の味に大きく影響するのが、収穫から食べるまでの日数と管理方法、つまり鮮度です。野菜は生き物です。収穫後も呼吸や蒸散といった生命活動は続きますので、蓄積された栄養分が消費され、時間が経てば味は必ず落ちます。こうした生命活動に使われるエネルギーは、蓄えられた糖を燃やすことで作りだされますので、時間の経過による甘さの落ち方は顕著です。トウモロコシや枝豆など、甘さが売りの野菜が鮮度にうるさいのはそのためです。
〈中略〉
農業者が栽培方法にどんなにこだわっても、消費者の口に入るまでに時間がかかっては台無しです。
〈中略〉
2週間冷蔵庫で寝かせた小松菜に、味も栄養もあるはずがありません。一般の流通では珍しいことではないかもしれません。
〈中略〉
もちろん、こうした工夫によって夏場の葉物の供給が支えられていることも事実です。旬以外の時期でも、スーバーの店頭に野菜が豊富に並ぶためには必要な工夫です。ただし、僕のところではこのやり方は取りません。面倒ですが少量ずつ生産し、注文を受けてから必要な量だけを収穫して発送しています。この点は、流通在庫を持たなければ成り立たない大手とは大きく異なる部分です。
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出典【キレイゴトぬきの農業論】新潮新書 久松達央著
久松農園のオフィシャルサイト http://hisamatsufarm.com/