農業用パイプハウス・ビニールハウス・アグリテック専門店専門店モリシタ代表の森下幸蔵です。 http://www.morishitahouse.jp/contents/about.html
税務上、減価償却上での、ビニールハウスの耐用年数は何年ですか?
今回はビニールハウスの実際の耐久年数と減価償却時に使用する耐用年数についてです。
ビニールハウスは2種類ある
ビニールハウスには、2種類あります。
私どもは「鉄骨ハウス」と「パイプハウス」というように分けています。
■鉄骨ハウスとは
主骨材が軽量鉄骨以上の鋼材を使用した農業ハウス。 風雨に対する耐候性が高いです。
国税庁のホームページによれば、鉄骨ハウスの帳簿上の耐用年数は14年です。
実際には築30年以上の現役で頑張っているハウスもあります。
■パイプハウスとは
主骨材がパイプ(角パイプも含む)を使用した農業ハウス。 鉄骨ハウスよりも耐候性は劣ります。
パイプハウスの減価償却での耐用年数は8年になります。
これも実際には、築20年以上経過しても現役のハウスも多くあります。
国税庁のホームページでは、主骨材が木材のハウスについても、述べられています。
木材や竹を利用て作ったハウスは少数ながらあります。
竹を使用したパイプハウスを販売しているメーカーさんもあります。
http://www.g-mark.org/award/describe/35694
ビニールハウスを譲渡する価格の目安として
ビニールハウスの耐用年数は、減価償却する際に必要になりますが、ビニールハウスを譲渡するときにも目安になりそうです。
ビニールハウスを他人に譲渡する価格を説明するときに、耐用年数からビニールハウス本体の大まかな現在評価額を割り出してみましょう。
(ビニールハウスの新築価格) X (新築からの経過年数までの残存年数) / (耐用年数)=大まかな譲渡の評価額
実際は、需要と供給(売り手と買い手)の関係で決まりますので、あくまでも目安としてお考えください。
※ただし、下記の計算式を用いる条件としては、ビニールハウスの新築後年数が耐用年数未満であることが必要です。
耐用年数が過ぎたとしても、価格は需要と供給の関係で決まりますから、ゼロにはならないですよ。
なお、今回、国税庁のホームページを参考にさせていただきました。
(参考ホームページ)
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/04/26.htm
ビニールハウスの耐用年数
【照会要旨】
農業用にビニールハウスを新設し、事業の用に供しました。このビニールハウスの耐用年数は何年でしょうか。
【回答要旨】
照会の農業用のビニールハウスの耐用年数は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令の別表第一のいずれの種類に該当するかにより異なることとなります。1 新設したビニールハウスが「構築物」に該当するものである場合には、その構造に応じて別表第一の「構築物」の「農林業用のもの」に掲げる耐用年数を適用することになり、骨格部分が金属造のものなら、「主として金属造のもの」の耐用年数14年を、木造のものなら、「主として木造のもの」の耐用年数5年を、その他のものなら、「その他のもの」の耐用年数8年を適用することになります。
2 構築物に該当しないビニールハウスである場合には、別表第一の「器具及び備品」の「11前掲のもの以外のもの」に掲げる耐用年数を適用することになり、骨格部分が金属製のものなら、「主として金属製のもの」の耐用年数10年を、その他のものなら、「その他のもの」の耐用年数5年を適用することになります。
【関係法令通達】
減価償却資産の耐用年数等に関する省令第1条第1項、別表第一注記
令和2年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
ビニールハウスの税務上の耐用年数について動画で詳しく説明しました。
ご参考になれば幸です。