農業用ハウスのモリシタの森下幸蔵です。
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タキロンシーアイの新散乱光型POフィルム「カゲナシ和(なごみ)」について
はじめに
ハウス栽培において、光環境の管理は収穫量と品質を左右する重要な要素です。従来の透明フィルムでは局所的な高温や光のムラが問題となり、作物の生育に悪影響を与えてきました。そんな課題を解決する革新的な農業用フィルムが「カゲナシ和」です。
カゲナシ和の革新的な特長
1. 散乱角度が大きい拡散光技術
カゲナシ和の最大の特長は、光を「散乱光」として取り入れる技術です。従来の透明フィルムとは異なり、太陽光を効率的に散乱させることで、ハウス内全体に均一な光環境を実現します。
従来の透明フィルムとの比較
- 透明フィルム:直射日光がそのまま入射し、局所的な高温を発生
- カゲナシ和:散乱光により、光を隅々まで均一に届ける
2. 優れた光の有効活用
散乱光技術により、作物の葉の裏側まで光が届くようになり、光合成効率が大幅に向上します。これにより、従来では光が届きにくかった下位葉でも活発な光合成が可能になります。
3. 局所温度上昇の抑制効果
直射日光による局所的な高温を防ぎ、ハウス内の温度分布を均一化します。これにより、作物へのストレスを軽減し、安定した生育環境を提供します。
4. 耐硫黄性の付与
カゲナシ和には特殊な耐硫黄剤が配合されており、バッグ5同等の耐硫黄性を付与しています。硫黄系農薬によるフィルム劣化を大幅に軽減し、長期間の使用が可能です。
実証された効果
栽培事例1:北海道トマト栽培
北海道のトマト栽培において、バッグ5、カゲナシ5、ハウス比較試験を実施した結果、カゲナシ和使用ハウスでは落花が少なく、安定した収量を確保できました。
栽培事例2:新潟県大福豆栽培
新潟県の大福豆栽培では、透明フィルムやカゲナシ5、ハウスと比較して、苗の生育がより均一で良好な結果を得ました。
温度管理の優位性
実際の測定データでは、バッグ5に比べて散乱光フィルムは地温が安定し、緩やかに上下する傾向が確認されています。これにより、作物の根系環境がより安定し、ストレスの少ない栽培が可能になります。
使用上の注意点
局所温度上昇が抑制されるため、地温が上がりにくくなる可能性があります。特に:
- 場所:岐阜県での試験結果
- 作物:トマト
- 測定時期:5/9-12
上記の条件では、地温管理により注意が必要でした。栽培地域や作物に応じて、適切な温度管理を心がけてください。
農業経営への影響
収量の向上
- 均一な光環境により、作物全体の光合成効率が向上
- 落花の減少による収量安定化
品質の向上
- 温度ストレスの軽減による品質の均一化
- 着色や糖度の向上
コスト削減
- 耐硫黄性により、フィルムの交換頻度を削減
- 均一な環境による管理作業の効率化
まとめ
カゲナシ和は、従来の農業用フィルムの常識を覆す革新的な製品です。散乱光技術による均一な光環境の実現、局所温度上昇の抑制、そして優れた耐硫黄性により、ハウス農家の皆様の農業経営を力強くサポートします。
現在お使いのフィルムでの温度管理や収量にお悩みの農家の皆様は、ぜひカゲナシ和の導入をご検討ください。新しい農業技術で、より安定した農業経営を実現しましょう。