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2026年02月15日

ビニールハウス保険の選び方 掛け金 vs 補償額 徹底比較

農業用ビニールハウス

農業用ハウスのモリシタの森下幸蔵です。

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ビニールハウス保険の選び方 掛け金 vs 補償額 徹底比較

 

 


農業経営において、ビニールハウスは重要な生産施設です。しかし近年の台風や豪雪による被害リスク、そして建設資材価格の高騰により、ハウス保険の選択がかつてなく重要になってきました。今回は、農業用ハウスのモリシタが提唱する、賢い保険選びの極意をご紹介します。

 


高まる農業施設のリスク

日本は台風や豪雪の多い国です。近年、これらの自然災害によるハウス倒壊事故が増加傾向にあります。さらに深刻なのが、建設資材価格の大幅な上昇です。新しくハウスを再建する際には、かつてない額の資金が必要になる時代になりました。だからこそ、保険選びは単なる「万が一」への備えではなく、経営戦略の一部として考えるべきなのです。

 


ビニールハウス保険の2つの選択肢

ビニールハウスの保険には、大きく分けて2つの種類があります。

NOSAI(国家施設共済)と民間保険です。それぞれに異なる特徴があり、農業経営のスタイルによって最適な選択は変わります。

 

NOSAI(国家施設共済)の強み

NOSAIの最大の特徴は、国庫負担による圧倒的なコストパフォーマンスです。共済掛金の原則50%を国が負担してくれるため、実質的な支払額は半額で済みます。この国庫補助という制度設計は、農業者にとって大きなメリットです。

さらに、日本が地震大国であることを踏まえ、地震補償が標準で含まれている点も見逃せません。施設本体を守るためのコスト効率という観点では、NOSAIが圧倒的に有利な設計になっているのです。

 

民間保険の役割

一方、民間保険の真骨頂は、ビジネスリスクに対する幅広い保障にあります。例えば、強風でハウスの部材が飛んで近隣の家や車を傷つけた場合の賠償責任や、復旧期間中の利益損失(休業補償)といった、NOSAIではカバーできない領域をサポートします。

農業も立派なビジネスである以上、こうした経営リスクへの対応は重要な検討事項です。

 


補償額の計算:時価額 vs 復旧費用

保険選びで最も気をつけるべき点は、時価額と復旧費用の違いです。

標準的な補償は経年劣化を引いた「時価額」で計算されます。つまり、古いハウスほど補償額が低くなり、いざ再建しようとしても資金が足りなくなるリスクがあるのです。

これを防ぐのが「復旧費用特約」です。この特約を付けることで、実際の再建に必要な新築時の価額まで補償されます。特に経年劣化したハウスを使用している方は、この特約の検討が必須といえるでしょう。

 


掛け金を劇的に下げる工夫

保険料を上手に管理することも、経営効率を高める重要なスキルです。

その裏技が「小損害不填補」、つまり免責額の設定です。例えば免責3万円なら掛金43%オフ、免責100万円なら掛金96%オフという選択も可能です。小さな修繕は自費で対応し、大きな被害に保険を活用するという戦略的な選択により、固定費を大幅に削減できます。

この浮いた費用を、さらなる設備投資や収益向上に回すことができれば、長期的な経営効率は格段に向上します。

 


最適な保険活用戦略:使い分けの推奨

多くの経営者が悩む保険選びの解決策が「使い分け」です。

ハウス本体はコスト重視でNOSAIを選び、作物や売上は別途収入保険でカバーするという方法で、包括的な経営安定につながるケースが多いのです。これにより、それぞれの保険の強みを最大限に活用できます。

 


パイプの強度が保険料を左右する

意外かもしれませんが、ハウス建設に使用するパイプの種類によって、保険料が変わります。

STXのような高張力鋼管を使用した強靭なハウスは、NOSAIの掛金が約15%割引になります。つまり、強いハウスを建てることが、最も確実で経済的な保険対策なのです。初期投資は増えるかもしれませんが、長期的には保険料削減と被害リスク軽減の両立が実現します。

 


実践的な試算例

強いパイプ(STX)を使って割引を受け、さらに「小規模な損害は自分で直す(免責10万円)」設定にすると、年間の掛金は半分以下に抑えられるケースもあります。

例えば、月々の掛金が5万円だとすれば、年間60万円の固定費削減が可能です。この額を積み重ねれば、数年で新しい設備投資や技術導入に充てられます。

 


農業経営者の3つの選定基準

最後に、保険を選ぶ際の3つの軸をお伝えします。

第一に、古いハウスこそ「復旧費用特約」で再建資金を確保すること。 経年劣化しているハウスだからこそ、いざという時の資金不足を防ぐ必要があります。

第二に、小さな修繕は自費で対応し免責額を上げて固定費を下げること。 これは経営判断の問題で、自分たちで対応できる範囲を冷静に判断することが重要です。

第三に、近隣トラブルが心配なら賠償責任保険を検討すること。 農業施設は周辺環境と隣合わせです。不測の事態への備えは、地域との良好な関係を守る投資でもあります。

 


まとめ

保険は確かに複雑な商品ですが、皆様の生活の糧を守る大切な盾です。農業経営における保険選びは、単に「何かあった時のため」という受け身の姿勢ではなく、経営効率を高める攻めの戦略として位置づけるべきです。

あなたの農園のリスク状況に合わせて、最適な保険プランを見つけてください。

 


動画でも説明しました。こちらもぜひご覧ください。

 

https://youtu.be/gbvovcOeak0


 

 

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