農業用単管ハウスに使用されている48.6φパイプと42.7φパイプの違いについて
新年の初日に弊社の社員さんたちと初詣に参ってきたモリシタの森下幸蔵です。 https://www.morishitahouse.jp/contents/company.html
福井市足羽山のふもとにある毛矢黒龍神社に参りました。
とても由緒ある神社のようで、他の会社さんたちもぞくぞくと祈祷を受けにに参られていました。
さて、本題です。
『単管ハウスの48.6φパイプと42.7φパイプの違いについて』です。
まず、直径が違います。
これはほとんどの方は分かりますよね。
直径が48.6㍉と42.7㍉というように違います。
?次に、肉厚が違います。
通常、48.6φパイプの肉厚は2.4㍉ですが、42.7φパイプは2.0㍉が農業用ハウスの主骨として使用されています。
見本なので断面が少し錆びていますね。見苦しくてすみません。
鋼材の品質規格も違います。
JIS(日本工業)規格に基づいて造られています。
48.6φパイプは、一般構造用炭素鋼管のSTK500です。
42.7φパイプは、同じく一般構造用炭素鋼管のSTK400です。
“500”と“400”の数字は、引っ張り強度です。
すなわち、48.6φパイプは、500N(ニュートン)以上の引っ張り強度に耐え、42.7φパイプは、400N以上に耐えるという意味です。
用途が違います。
48.6φパイプは、単管足場と呼ばれるもので、その名のとおり、建設現場の足場に使用できる単管パイプです。
42.7φパイプも単管と呼ばれていますが、足場には使用さていないようです。
最後に、断面性能が違います。
48.6φパイプと42.7φパイプは、直径と肉厚が違いますから、断面性能が異なります。
断面性能とは主に、材料の「断面積」、「断面二次モーメント」、「断面係数」のことを言います。
パイプの曲げがねじれに対する強さは、断面二次モーメントの二乗に比例します。
パイプの引っ張りと圧縮に対する強さは、断面積に比例します。
断面二次モーメント
① 48.6φX2.4㍉厚のパイプの数値は、 “9.32cm4” です。
② 42.7φX2.0㍉厚のパイプは、 “5.31cm4” です。
単純に比較すると、曲げやねじれに対する強さは断面二次モーメントno二乗に比例しますから、
① 9.32X9.32=86.86
② 5.31X5.31=28.19
①/②=3.08
ですから、曲げやねじれに対する強さは、①は②のおよさ3倍あることになります。
断面積
③ 48.6φX2.4㍉厚のパイプの数値は、 “3.483cm2” です。
④ 42.7φX2.0㍉厚のパイプは、 “2.557cm2” です。
こちらの方は、引っ張りや圧縮に対する強さは、断面積に比例しますから、
③ 3.483
④ 2.557
③/④=3.483/2.557=1.362
ですから、引っ張りや圧縮に対する強さは、③は④のおよさ1.3倍あることになります。
ただし、元々の材質が③はSTK500ですし、④はSTK400ですので、またまた単純に計算すると、
1.362X500/400=1.702
となりますから、最終的に、引っ張りや圧縮に対する強さは、③は④のおよそ1.7倍あるということになります。
まとめ
単管パイプ「直径48.6φX2.4㍉厚」と「直径42.7φX2.0㍉厚」との違いは、
1.直径が違う
2.肉厚が違う
3.鋼材の品質が違う
- 48.6φはSTK500
- 42.7φはSTK400
4.用途が違う
- 48.6φは単管足場に使用されている
- 42.7φは足場には使用されない
5.断面性能が違う
- 曲がりとねじれに対する強さは、48.6φは42.7φのおよそ3倍
- 引っ張りと圧縮に対する強さは、48.6φは42.7φのおよそ1.7倍
単管48.6φX2.4㍉は、足場に使用されるだけあって、さすが強いですね!
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