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2014年06月11日

食のチカラ 食で地方をよみがえらせる

仕事

平成26年6月11日(水)

結婚式場のエントランスでも、平気で自撮りが出来るようになった株式会社モリシタの森下幸蔵です。 https://www.morishitahouse.jp/company

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会場は、?エルダンジュ名古屋 http://www.ailedange.jp/ です。

いとこの結婚式に実母の代わりに参列してきました。

幸せがいっぱいの結婚式はいいですね。好きなお酒も飲めるし(笑)

 

ETVで放送された番組『食のチカラ 食で地方をよみがえらせる』を文字起こししたものをブログにしました。

 

 

食のチカラ 食で地方をよみがえらせる

 

東北発未来塾

ETV 5月12日放送
『食のチカラ 食で地方をよみがえらせる』

ナレーション:川島海荷

(ナレーター)食で地方をよみがえらせる秘訣って、どんなもの?それを学ぶ塾生はこちらの六人、

 

塾生:

日本調理技術専門学校 宮下真実さん

日本調理技術専門学校 渡部 悠さん

飲食店経営 木下智也さん

宮城大学 3年 高橋君佳さん

宮城大学 1年 柴田菜直さん

宮城大学 1年 谷口智紀さん

 

 

調理専門学校に通う料理人の卵と食で地域おこしをしている学生たち。

 

そして、震災で失った実家の旅館を再建しようという若者です。

 

食で地域をよみがえらせる

(講師:料理人 奥田政行さん(44))
(奥田)
えーっと、今日は食の、食で人を呼ぶっていうことをやりたいと思います。
鶴岡って、食材が豊富なので、「食の都」になれたのですが、その食の都にしていくときに、すごく奥田シェフだけで言っていると、シェフなので信頼性もあるんですけど、意外に信頼性もないんですよ、はい(笑)」
(ナレーター)
そこで、奥田さんが頼りにしたのはこの人。
山形大学農学部の江頭宏昌先生。在来野菜の専門家です。
山形大学農学部准教授 江頭宏昌さん
(江頭)
私は、研究しながらなんですけれど、ただ研究してそれで終わりだけでは何も起こらなかったと思うんですけれど、奥田さんとの出会いによって、初めてそれが息を吹き返したというか。
(ナレーター)
これまで奥田さんと江頭さんは、庄内の農家を訪ね、埋もれていた在来野菜を発掘してきました。
これまで埋もれていた在来野菜
紫折菜
雪菜
外内島きゅうり
漆野インゲン
この二人の活動によって、現代によみがえった在来野菜があるそうです。

在来野菜を復活

(奥田)(江頭)
おはようございます。、
(後藤)
おはようございます。
藤沢かぶ生産者 後藤勝利さん
(ナレーター)
こちらは在来野菜「藤沢かぶ」の生産者、後藤勝利さんです。
後藤さんに案内された先には、急な斜面が広がっていました。
実はここが藤沢かぶの畑なんです。
よーく見ると足元にたくさん顔を出していますね。
(後藤)
藤沢かぶ作り始めてからっていうか、色々いきさつあったんだけど、まず、今、こうやって軌道に乗るようになってから、平成元年からやってますんで、二十何年ですか、なってます。
(ナレーター)
藤沢かぶは伝統的な焼畑農法によって明治以来から作られてきたそうです。
山を焼くことで、栄養を豊富に含んだ土壌が作られます。
ここで育った藤沢かぶは、上品な甘さと辛さを兼ね備えるそうです。
しかし、すべて手作業。
農家には大きな負担になっていました。
奥田さんと江頭さんが初めて畑を訪れたころ、焼畑農法は存続の危機を迎えていました。
そのため、藤沢かぶは「まぼろしのかふ」と呼ばれていたんです。
(奥田)
まぼろしのかぶがあるって聞いて、そのまぼろしのかぶって見てみたいなと思って、で、江頭先生と急な所を登って行って、で、パタって、足元を見たら、このかぶが。
で、後藤さんを紹介されて、『一本食べていいですか?』と言って、で、一本食べたら、味が、初めて会う衝撃的な味で、この食べもので、次の時代に引き継いでいかないといけないなとその時思った。
(奥田)
これ足元のやつ抜いたから。
そうそう、抜いたから、そうそうそうそう。
どう、足元あるやつ、抜いて食べてみたら?
(ナレーター)
土の中から、そっと抜いていただきます。
(塾生)
美味しい!
(江頭)
甘いでしょ?
(塾生)
甘い!
(江頭)
そうやって、噛むと辛くなる。横を噛むと。そう、横から。
(塾生)
くるー!
からーい!(笑)
(ナレーター)
実はよことたて、かじり方で味が変わるんです。
(江頭)
10年近く、一緒に焼畑を勉強させてもらいましたけれど、あのー、すごい知恵ですね。
焼畑で作ってかぶと、その普通の畑で作ったかぶっていうのは、形こそ似てても、食べたら全く味が違う。
もう、これは歴然としています。
この焼き畑がなくなると、この味が消えるんだというのは本当に、実感しましたね。
(ナレーター)
藤沢かぶを次の世代に遺したい。
三人が作り上げたのは、「料理人}、「生産者」、そして「研究者」のネットワークでした。
生産者が育てた貴重な在来野菜。
それを料理人が、美味しい料理にして、価値を見出していく。
さらに研究者の専門的な知識は、栽培方法の改善や、新たな料理に活かされます。
この三者の連携で、在来野菜の魅力は広く知られるようになりました。

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(奥田)
ある日、後藤さんのところで、畑であれしたら、思いついた料理があって、食べたらおいしくて、後藤さんにすぐ電話して、ものすごい料理ができましたって、それは、後藤さんに喜んでもらうために考えた料理だったんですけれど、ただそのお料理だけで、毎年秋にツアーがあって、この畑も見て、その料理を食べる。
(後藤)
一番多く来た時は、大型バス3台で来たのにびっくりした。
一日仕事になんない(笑)
だまーって、切り株の上に座って、校長先生みたいに、こうやって、話したけど(笑)
なんにも仕事になんねえ(笑)
(奥田)
これで、今度、こうやって見て、ほら、こういう風に美味しくしたいんだよねって、ひと言、江頭さんに言うとその一言で、江頭さんは、いっぱいの勉強をしてこられるんですよ。
(江頭)
ここがねー、やっぱり、連携の醍醐味だよね(笑)
後藤さんみたいなちゃんと伝統的な技術を継承して伝統的な技術をもって栽培できる人がいて、で、プロフェッショナルの料理人がいて、初めてできた連携だと思うんだね。
(ナレーター)
奥田さんは、藤沢かぶの辛味を生かした新作料理を考えました。
かぶの気持ちになった料理法なんですよ。
(奥田)
えー、ここのかぶは動物から食べられたくないので、ここに二重の輪郭があるの、分かりますか?
(ナレーター)
内側が甘いところ、そして、外側は動物に食べられないように辛くなっているそうです。
(奥田)
ここは、動物に対して、辛くて毒だよ、と知らせるためのものです。
藤沢かぶをネズミにかじられたという風に錯覚させます。
かじられてるでしょ、かぶが。
えーと、ネズミの体温は何度くらいですか?
(塾生)
38、36。
(奥田)
はい、38度とか人間よりちびっとあったかい。
これをかじられた、かじられた。
(ナレーター)
さらに、ネズミの息遣いも再現して、二酸化炭素を入れると…。
(奥田)
このかぶの中の酵素が動いて、辛い。
辛くなってるでしょ? 食べると。
(塾生)
辛いです。
(奥田)
このままね、明日まで時間をおくともっと酵素が動く。
辛くなります。
おもしろいでしょ。
調味料を一切使わない味作り。
(ナレーター)
この藤沢かぶ、いったいどんな料理に変身するのでしょうか。
(後藤)
お邪魔します。
(全員)
こんにちはー
(後藤さんの奥さん)
おじゃましまーす。
(ナレーター)
この日は、藤沢かぶの生産者、後藤さん夫婦を呼んでの食事会です。
新作のお料理は、真っ先に生産者に振る舞われます。
こちらが藤沢かぶの辛味を最大に生かした料理。
米沢牛に添えました。
さて、お味はいかがでしょうか?
(塾生)
美味しい。
下の部分が一番、辛味がある。
(奥田)
そうそうそうそう。
(塾生)
渋味をあるし、苦味もあるし…。
(奥田)
ここで作っちゃうと、また、来年も後藤団が、タネ播かなきゃくなってします。
(全員)(笑)
(後藤)
なんて言うんだろう。料理の先生にも習います。
ただ、かぶ作っているじい様ですけど、この味っていうのは、本当、楽しませていただける味だと思うし、たくさんの人にこうやって出していただきたい。
これがじい様かぶだー。これがおれの励みになってくると思うし。
(塾生)
一番理想の形で出してくれているから。
(後藤)
うーん、本当。
おれの望んでいる味が出たっていうか。焼畑の味っていうか(笑)
(奥田)
これがあるから、やめられない。レストランも。
で、これがあるから、藤沢かぶも作る人もやめられない。
(後藤)
そう。こういう風に化けてくるから。今年は何に化けてくるのかなって、楽しみもある。
(奥田)
今度そうすると後藤さんが友達をいっぱい連れて、この料理を食べに来る(笑)
(ナレーター)
食のチカラ、Gorden Rule 『人と人との“つながり”が“食の価値”を高める』

 

信頼回復への道

2002年無登録農薬問題

(ナレーター)

実は、奥田さんは、山形県庄内地方を食の都にするために大きな壁を乗り越えてきたのです。

それが2002年に起きた「無登録農薬問題」。
山形県の農産物から違法な農薬が検出され、農家の出荷が停まりました。
このとき、無関係だった庄内の生産者も風評被害で大きな打撃を受けたんです。
何だか、現代の福島にも重なりますよね。
この過酷な状況に奥田さんは立ち向かっていきました。
(奥田)
全国のトップニュースの毎日、『今日も山形県で無登録農薬が見つかりました』という報道だったので、
で、そのときに、何か行動、いま、だれかが起こさないと、この山形県っていうのが、農業県なんですけれども、それ自体の存在が危ぶまれると思ったので、
「食の都庄内」っていうのが認知されることで、おいしいものがある山形県っていう風に変えよう!と思ったんです。
(ナレーター)
庄内の食の信頼を回復するには、独自の食材をアピールし、全国に広めていくしかない。
奥田さんの元に生産者が集まってきました。
(奥田)
料理人とその生産者の方々とが、江頭先生たちとこういうふうに結びつきが、まあ、もともと強かったんですけれども、なっていくと、いろんなですね、地元のマスコミの方がいろいろ取り上げてくれて、
で、それが広がると信用がついて、信頼がついて、で、この漁業・畜産の方と三角形になったりとか、で、生産者の方とこういうふうに地元マスコミと芸術家の方で三角形になったりとか、
で、その後ろをフォローするのが、私たち。そういうふうになって、どんどんどんどん広がった食のネットワーク。
(ナレーター)
3人から 庄内全体に広がった食のネットワーク。
中でも、奥田さんが力を入れたのが、食品加工場との連携でした。
奥田さんがプロデュースして、ヒット商品となっている加工品がこちら、「ピューレタイプ」のトマトソースです。
奥田さんは、塾生たちを製造現場に案内しました。
材料は、形が少しくずれて、出荷できなくなった庄内産のトマト。
でも、味は普通のものと変わりません。
年間1トンのトマトがここで加工品へと生まれ変わります。
素材の味を活かした商品にするため、奥田さんは、加工から味付けまで、責任を持って関わってきました。
(塾生)
甘ーい。おいしい、おいしい。
(奥田)
あの、どこにもないものをやるか、もしくは、あきらかに他の製品よりもあきらかに美味しいか。
味に、特長をつけるかっていう風にして、加工品作っていかないと、せっかく作っても売れないんですよ。
売れないと、かえって生産者の人を苦しめることになっちゃうので、
ちゃんと売れる商品を、料理人が こういう加工施設の方から頼まれたら作って、
で、それをそのままバトンタッチしていく。
で、地域の人が元気になる。
(ナレーター)
こうして加工品になることで、庄内産の食材が、全国に行きわたります。
料理人と加工場のつながりが地方を食の都に変える原動力になっているんですね。

 


スライド2

 

地産地消 地産他消 地産訪消

 

(奥田)
最初に、地産地消といって、地元で地元のものを食べるっていうことがあって、
つぎ、地産他消っていうので、東京とかにこれを持って行って、紹介して、
で、あとは、加工品にして、加工品にするともっと、九州とか色んなところ飛ぶでしょ。
そういうふうにしてって、地産他消しながら、地域のことを、こう、ちゃんと地域が潤うようにしていって、
最近、気付いたのが、「地産訪消」っていって、この料理を目当てにして、いっぱいの人に、こう、ここにこう地域にお金を落としていってもらって、
えー、あの、うちのお店だけじゃくなって、いるんなホテルとか、いろんなところに、落としてもらうように、そういうことやってます。
でも、今日、この料理で、ここに来ちゃったので、君たちも「地産訪消」なんだ。
(塾生)
親、連れてきたいです。
(奥田)
(笑)食べ物で、これ、美味しいの食べると、食べさせたいと思うでし ょ。
おいしい食べ物は、ね、ほんと人を動かす。
(ナレーター)
食のチカラ Gorden Rule 「魅力ある食材は、地方に人を呼び込む」



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